「会社から退職(レイオフ)を言い渡されたら、キャリアが終わりだ……」
そう絶望する人は少なくありません。しかし、米系Tech企業で20年生き抜いてきた私の感覚は全く逆です。
政治的な見せしめでPIPや退職パッケージ(割増金)を提示された時、私は心の中で「ラッキーだ」と思っていました。なぜなら、「十分な退職加算金」と「有給の転職準備期間(時間的余裕)」が一気に手に入ったからです。
実際、私は有給消化中にクルーズ船に乗って優雅に過ごしながら、最初から描いていた「次のキャリア」への転職活動を進めていました。
今回は、レイオフを恐れるどころか「キャリアアップの跳躍台」として使い倒すための、逆転のキャリア戦略を公開します。
【コラム】最初は「え?なんで自分が?」と絶望した
偉そうなことを言っていますが、最初にPIP(退職打診)の話を告げられた瞬間は、私も「え?なんで実績を出している自分が??」と頭が真っ白になりました。
しかし、高橋是清の「逆境をいかに順境たらしめるか」という言葉の通り、物事は考えようです。「理不尽に怒り狂う時間」を「退職加算金をもらって次の高年収キャリアへ飛躍する準備期間」へ速攻で思考を切り替えました。
面白いもので、政治的見せしめで私を排除しようとした側は、現場のキーマン(当時の私のマネージャー等)が連鎖退職したことで組織が崩壊し、時の経過とともに自ら追い詰められていきました。外資の世界であっても、因果応報は確実に存在します。
逆境をチャンスに変えるマインドさえあれば、どんな理不尽も跳ね返せるのです。
1. 職種をスライドさせ、市場価値を上げる「わらしべ長者」戦略
私が20年のキャリアで一貫してやってきたのは、単なる同職種の平行移動ではありません。「あらかじめ数歩先までのキャリアパスを描き、転職ごとに職種をスライドさせて市場価値(年収)を上げていくこと」です。
私の実際のキャリア遷移は以下の通りです。
- サポートエンジニア(現場の技術を泥臭く理解)
- ↓
- プリセールスエンジニア / ハードウェア(技術×営業の掛け合わせ)
- ↓
- プリセールスエンジニア / ソフトウェア(より高粗利な領域へ軸足移動)
- ↓
- プロダクトサポート / マーケティング(事業・製品視点の獲得)
- ↓
- スタートアップ(組織全体のカオスを動かす経験)
- ↓
- コンサルタント(最高単価のビジネス上流領域へ)
最初から「どの順番でスキルと肩書を掛け合わせていくか」を描いていたため、途中で会社都合の政権交代やPIPが挟まろうが、自分の長期計画(ロードマップ)の通過点に過ぎなかったのです。
2. 外資IT業界は狭い。「政治的パージ」はあっという間に知れ渡る
「解雇やリストラに遭ったら、次の転職で不利になるのではないか?」という心配も無用です。
外資ITの世界、特に同じ業界やレイヤーのコミュニティは驚くほど狭いのが現実です。
誰が新社長として着任し、誰が政治的に見せしめで切られたかなどの「現場の真相」は、あなたが転職活動を開始する頃(あるいは船の上で有給消化を楽しんでいる間)には、業界内のリクルーターや他社の幹部の耳にあっという間に伝わっています。
「ああ、あの件ね。新体制の政権交代に巻き込まれただけでしょう」
相手もプロですから、パフォーマンス不足のクビなのか、単なる政治の犠牲者(生贄)なのかは百も承知です。だからこそ、自分のキャリアに傷がつくことなど一切恐れる必要はありません。
3. 退職パッケージ(割増金)をもらって船に乗れ
レイオフやPIPの打診は、見方を変えれば「まとまった金(退職加算金)と、給与が補償された自由な時間」が手に入る最高のボーナスステージです。
- 会社の理不尽に怒り、メンタルをすり減らす時間 ➔ 無駄
- 提示されたパッケージ(割増金)を満額受け取り、有給消化中に次の戦略を練る時間 ➔ 最高
私自身、有給消化中に船上でゆっくり過ごしながら、次なる狙い目のポジション(コンサルタント等)へ向けた仕込みを行っていました。
「会社に自分を評価させるな。自分が会社と外資のシステムを使い倒せ」
この図々しいほどのマインドセットを持つことこそが、外資ITでストレスなく年収を上げ続け、サバイバルしていくための唯一無二の極意です。

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